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捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2011年03月02日 (水) | 編集 |
これから身の毛もよだつ怪談をする。心して聞くがよい。

……もう3月なの! まああああじで!?

つい、このあいだ新年を祝ったばかりだというのに、はや3月。

この年齢で時の流れがこれほど早いとなれば、これから、さらに加速度を増すのだから、あっというまに40、50、60、そして死にいたるのは自明で、もうそろそろ身辺の整理をはじめねばならぬか、という心持ちにもなろうというものである。

「人生がむなしいんです。死んだら何も残らないのだから、生きている意味なんかあるのかと思うと、むなしくてたまらないんです」

と、しみじみつぶやいたのは、バリサルダ総統染井だ。

あたくしも、その気持ちはわからぬでもないと、一瞬思ったのは大いなる間違いで、ヤツの言葉は、それだけで終わらず、以下のようにつづく。

「だから、人にいやがらせしたくてたまらないんです。人を殺したくてたまらないんです。でも通り魔とかすると、自分が死刑になっていやじゃないですか。まあいちおう、それで考えたんですけど刑務官をやりたいんです。それで死刑囚の死刑執行をすれば合法的に人を殺せると思うんです。わたしが刑務官をしたら、死刑囚が寝ついたのを見計らって独房に押し入って、首に縄をかけて無理やり刑場にひきずっていきます。心の準備なんかさせません。だって、やつらはそうやって人を殺したじゃないですか。同じ恐怖を味わわせてやったほうがいいんです。それで、ロープをかけて吊るして、死ぬ間際にロープをゆるめるんです。蘇生したらまた吊り上げて、死にそうになったらゆるめてを、何回も、何日も繰り返すんです。泣いて許しをこうても絶対に許しません。だって、自分がやったことの報いなんだから、文句をいえるはずがないじゃないですか。自己責任じゃないですか。あいつらは人間じゃないんだから、わたしは死刑囚を殺すことに、なんの良心の痛みも感じません。ほかの刑務官がいやがるなら、ひとりで全部やりたいくらいです。殺したくてたまらないんです。そうすれば、むなしさも少しはなくなると思うんです。食べてみても死刑」

……染井の心の闇は、あたくしには理解できなかった。

あたくしの場合は心底を吐露すれば、むなしさの根源は彼女がいない一事につきる。

好き、という字は、女の子と書くのである。

先日の志磨遼平トークイベントも、なにが悲しくて滝原豊後守と行かねばならなかったのであろう。女の子を誘う絶好の機会ではなかったか。だが、相手がいなかった。自分には、気軽に誘える女ともだちすらいないのだと思うと、布団のなかで身体を丸めて夜通しうめかざるをえぬ。

「おれさまの むなし心を人問はば となりで臭ふ がありっくかな」

あたくしは、女性とおはなしをすると決めた。広い世界のどこかには、あたくしを待ってくれている愛らしい女性がいるに違いない。

一大勇気をふりしぼった。

ライブチャットにGO!

会員登録GOGO!!

クレジットカードも迷わず登録しちゃう、この胆力、この豪勇はどうであろう。男ぶりがひとまわり大きくなったように、我ながら思われる。御旗楯無も照覧あれ。

なお、ライブチャットというのは、ウェブカメラで顔を見せてくれる女性と会話するサービスで、料金はサイトによって異なるが、おおよそ1分100円から200円。1時間にすると6000円から12000円。たったそれっぽっちで女性と会話ができるのだから、夢のような話だね!

ライブチャットのサイトには、待機している女性の映像が小さな窓で並んでいる。わあ、みんなかわいいなあ。こういう職業で稼ごうというだけあって、それなりに容姿には自信が子が集っているのであろう。おじさんドキドキしちゃう。

ようやく見つけた娘さんは、大阪住まいの27歳。あたくし好みの、頬のやわらかそうな丸顔さん。

「こんばんはー」
「はじめましてー」

挨拶をかわす。お話をしてみると期待通りの完璧な大阪弁ですやんか、ええでええでー。

あれこれ世間話を交わす。気がつくと、すでに10分たっている。1500円である。女性と10分世間話をするだけで1500円。これが世の中というもの。

最初の10分は、和気あいあいと楽しくお話できた。だが、そのあたりから会話の雲行きがあやしくなっていく。女性が、チャットが儲からないと言いだした。

ほんとは、こんなのやめたいんやけど、大阪ちっとも仕事ないし。ハローワーク行ったら、もう、すっごい人で、ひとつの募集に80人とか応募しててん。あかん、こら、わたしなんか受かるはずないわと思ってたら、案の定だめで、もうどしたらええか、わからへん。

と溜息をつくのである。わかるわかるー、その気持ち、無職街道驀進中のおじさんには、よくわかるわー。ただし、彼女の苦しさはわかるんだけど、なんで金払って愚痴を聞いているのか、自分自身がわからない。

あなたの溜息150円。それで、プライスレスはどこにあるの? あっ、あたくしのカード、ビザだわ。マスターじゃないからダメだ。

しまいには、チャットじゃ生活できないから意を決して風俗へ行ったら、へんな病気をうつされたと泣きそうになった。よくよく話を聞くとデリヘル(各自検索されたし)で、それが、はじめての風俗勤務だったという。なんで、いきなりそんなディープな風俗に……。もっと軽いのがあるでしょうに……。

親とケンカしてる、飼ってるペットが死にそう、カードの借金が溜まっている、もういい年齢だから人生をなんとかしたい……と、ぶつぶつ止まらぬ愚痴を聞いているうちに1時間たって、お会計9000円なり。

「あっ、ごめんなさい! わたしの話ばっかり……。またお話しにきてください」

と、彼女は、すまなそうにはにかんだ、その笑顔がたまらなく愛くるしい。丸顔ぷくぷくほっぺ。きゃーん。

「うんうん、またきます」

あたくしは、やにさがって答えた。

ああいう話が、会話を長引かせるための手練手管に長けた策略だったのではないかと気づいたのは、この文章書いてる、たった今。

ライブチャットは、まさしく夢の世界であった。請求こわい請求こわい。
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