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捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2010年07月08日 (木) | 編集 |
むしあつい日々。

仕事合間の休憩で、突撃触手野郎こと、アルバイトのM木くんとともに喫茶店に入った。

店は空いている。奥まった席に座る。

M木くんは席につくなり、カバンから同人誌をとりだした。謎のうねうね触手が女の子の腕にからみついて吊るしあげているという、どぎつい表紙。そーか、また触手なのか。

女性の店員さんは、20歳前後で髪を後ろでたばねた、かわいらしい人。ちらりと同人誌に目をやり、微妙な表情をうかべていた。あたくしは素知らぬふりをして、よくひえたアイスティーをいただく。

空いていた両隣の席は、すぐに埋まった。

右隣に、緑ポロシャツ、緑作業帽のおっさん。歳のころは50くらい。

左隣は、30くらいのスーツ姿のサラリーマン。

……なにやらくさいぜ。

やだ、あたくしの身体がにおってるのかしら。ギクリとしたけども、生半可なレベルのにおいではなく、あきらかに数日風呂に入っていない系のスペシャルアロマである。

「くさくね?」

と、M木くんに確かめたいところだが、彼の神経は、うねうねがうねうねしているあたりにうねうねしており、外界との接触を遮断している。

においの元をさぐると、右隣のおっさんで確定。全身、汗ビッショリで、帽子に塩がふいている。いやだなあ……。

おっさんがサッと腕をあげた。店員さん、

「はーい」

と、こちらにきかけて足を止めた。

店員さんが、こおりついておる。視線は、隣のおっさんに。どうしたのかと視線の先をおうと、おっさんは店員さんを呼んだわけではなかった。腕をあげて腋のかおりを一心不乱に、くんくんしておった。

いやあああああ。

男のあたくしですら、ドーーーンびーーーきするのであるから、女性店員さんがたじろぐのも無理からぬところであろう。

おっさんは、ひとしきり右腋の下をくんくんすると、次は左腋の下をくんくん。それを飽きることなく交互にくりかえしている。他人のあたくしのほうが、いたたまれなくなってくる、この心理状態はどういうことであろう。

憂鬱になるあたくしに、お次は左隣から追撃がきた。

ぶつぶつひとりごとが聞こえる。なにごとかと見れば、テーブルに何枚ものCDをつみあげ、ブックレットをいっぱい広げて鑑賞中。

「うん、××の声がいいね。やっぱりね、××さんはあってると思うのね。正直、うまさでは××さんかもしんないけど、あってるのは××さんで、でも××のキャラのときはちょっと無理してるっていうか、正直、あわないかなと思って、××だったら、××さんのほうが声質からいって、正直、いいと思ったんだけど、やっぱり事務所の力関係が……」

てなことを、延々とつぶやいている。横目でうかがうと、どうも声優さんのアルバムらしい。

いやああああああああああ。

左にぶつぶつ声優おたく。右に汗くさくんくんおやじ。正面にはうねうね触手マニア。おそるべき包囲陣がしかれた。

狂人シンフォニーを奏でる交響楽団ならぬ交狂楽団……というか、公共に迷惑団?

あたくしの頭には、ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」が響き渡る。第4楽章は、はてしなく遠い。

できることなら、あたくしは除外してもらいたいのだけど、店員さんのつめたい目は、あたくしも一味だと認定していた。たいへんに切ない。

休憩どころか、かえって疲れて店を出たときに、M木くんが、

「となりのヤツの話聞きました? あいつ、だめっすよ、××さんのことわかってないもん」

と言った。

お前は、そういう話だけ耳ざとく拾うんじゃない。
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コメント
この記事へのコメント
うふふ、ぼくの隠し玉として、そのうち連れて行く……かも?
かれの触手自慢に意識がとおのく夏!
って感じで。
2010/07/15(木) 19:22:30 | URL | たれぞう #/blqkyuM[ 編集]
触手くんがなんとなく愛くるしい系キャラになりつつあるね。
清々しいことだね!

うっふん
2010/07/13(火) 22:32:18 | URL | tango #-[ 編集]
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2010/07/09(金) 13:23:23 | | #[ 編集]
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