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捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2010年03月25日 (木) | 編集 |
あたくし、親の新聞配達の手伝いをたまにする。平日は自分も仕事があるから手伝えないが、週末や休日は駆りだされることがある。先日の強風が吹きすさぶ夜のことであった。

配達の途中。向こうの闇から、

「やめてーーーー」

野太い男の声が聞こえた。なにごと? 身を固くしてると、声はだんだんと近づいてくるのである。

「ヤメテーーーー。ダメーーーー」

すわ、喧嘩か? だが、そういう切羽つまった雰囲気でもない。

「ソンナ、ダメエエエエエ」

暗闇の中に、人影が黒いシルエットで浮かんでいる。近づく速度が妙に速い。どうも自転車に乗っているらしい。

「ヤダアアアア、ダメエエエエ」

午前3時の狭い路地。尋常ではない。あたくしは道の端に自転車を寄せて、中学生女子のように可憐に怯えていた。

やってきた男は年のころ40前後。黒いジャージの上下。口をぱっかりと開いて、

「ヤメテエエエエ」

と叫ぶ。やめて、というからには誰かと争っているのかと思いきや、誰もついてきていないし、荷台にも何も乗っていない。まったくの単身、無灯火のママチャリをこいでいる男。

男は横目でこちらを見ながら通りすぎて行った。

なにあれええええええ!?

恐る恐る振り向くと、男は映画「エクソシスト」の一シーンのように、首だけを思い切りねじってこちらを向いており、あたくしと目があった瞬間に、

「ヤメテエエエエエエエエエエエ、ソンナコトシナイデエエエエエエエエエエ!」

と、いちばんの絶叫をあげ、前を見ていないはずなのに器用に路地の角を曲がって行った。

後を追ったら男の姿がなかった……となれば格好の心霊話なのであるが、確認する勇気なんざありゃしねえわ!
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