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捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2009年04月11日 (土) | 編集 |
■ ジョゼと虎と魚たち
原作/田辺聖子
監督/犬童一心
主演/池脇千鶴、妻夫木聡

池脇千鶴と、妻夫木聡のベッドシーンが話題になったそうな。

池脇千鶴さんの大ファンであるわたくしとしては、見たいような見たくないような、今さらそんなことを気にしてるおまえは、いったい歳はいくつなんだと、あれこれ揺さぶられる映画でございました。また、むかし大好きだった女の子の雰囲気が池脇さんにそっくりで、余計に心乱れるんだよな! あー、はずかちい。

*****

大学生の恒夫(妻夫木)は、雀荘でアルバイトをしている。客の会話。

不気味な白髪の老婆。明け方、ボロボロの乳母車を押しながら街を歩いている。もう何年、その姿を見るだろう。乳母車には毛布がかけられていて、中が見えない。いったい何を乗せているのだろうか。

ヤクザに雇われた運び屋だと、客の一人が言う。
──乳母車の中に、どえらいお宝、積みこんで運んでるねんて。
──ほんますか? なんやろ、お宝って!
──札束や。
──クスリやな。
──うそお、えええ? じゃあオレ、たしかめてみようかな。ババア歩いてるの、どの辺でしたっけ?

勝手放題な噂話は、どんどん膨らんで。

そして、恒夫は出会ってしまう。乳母車が坂道を、ものすごい勢いで降りてくる。老婆が手を離してしまったのだ。止める手立てのない乳母車は、ガードレールに激しくぶつかって、ようやく止まった。

もしかして、噂の乳母車……?

おそるおそる近づく恒夫。毛布をめくると、若い女性(池脇)が縮こまって震えていた。手には包丁。包丁が恒夫にむかってくる。「うわあっ」と叫び声をあげて、尻もちをつく恒夫。二人の始まりは、そんな感じ。

彼女は、フランソワーズ・サガンの小説「一年ののち」が好き。小説に登場する女の子、ジョゼに憧れている。だから彼女は、自分をジョゼと呼ばせるのだ。

ジョゼは、足が不自由。乳母車に乗って街を散歩するのが日課。でも祖母は、ジョゼを「世間様に顔向けができない、こわれもの」だといい、人目にさらしたがらない。勝手な外出は許さないから、家に閉じこもっているばかりのジョゼは、すごく変わっている(もしかしたら学校に行ったことがないのかも?)。

ジョゼは懸命に強がっている。自分を守るため。でも、いつも強いわけじゃない。本当は淋しい。そんなジョゼに恒夫は惹かれ、二人は恋におちた。

でも、二人はやっぱり、すれ違う。世界が違いすぎるから。互いが結婚を意識したときに、はっきりと別れの予感へと変わる。

不足を知らなければ、不満を感じることもない。それは、幸せなこと? それとも、不幸せなこと? ……わからない。

知恵の実を食べてしまったアダムとイヴが楽園に戻れないように、肌をあわせる温かさを、心のこわばりを蕩かす安らぎを知ってしまったジョゼは、もう何も知らなかった頃にいた、真っ暗な孤独の世界には戻れない。きっと、失う辛さ、満たされない苦しさにさいなまれることになる。

──いつか、あんたがおらんようになったら、迷子の貝殻みたいに独りぼっちで海の底を、コロコロコロコロ、転がりつづけることになるんやろ? ……でも、まあ、それもまた良しや

そう呟いて、ジョゼは眠る。

それから数ヶ月して、二人は別れた。

この悲しさは、あなたがわたしを愛してくれた喜びの、なごり。わたしがあなたを愛した、あかし。それを知ったことを、後悔はしないだろう。

この痛みこそ、わたしが生きている、大切なしるし、なのだから。

*****

池脇さんの演技は相変わらず凄みを感じます。いい女優さんだよ。妻夫木も、よかったぜ!(男は絶対に呼び捨て)

■ ジョゼと虎と魚たち 予告編
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