FC2ブログ
捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2008年12月24日 (水) | 編集 |
歳をとると涙もろくなるという。それは本当だろうか。

真実である。わたくしが、まさにそれ。やたらと泣くタレント、照英の数倍、泣く。わたくしから見れば、彼の涙のスイッチは、まだまだ硬い。

わたくしには、泣かない日というものがない。なんにでも反応してしまう。ひどい時には、仕事から帰ってきてから、寝るまでずっと泣き通す。あまりに泣きすぎて疲れ、ごはんを食べずに寝たことも、一度や二度ではない。自分でも異常だと思う。

今日はとくに泣くことの多い日であった。

朝。道で猫が歩いていた。わあ、かわいいなあ。散歩かな。飼い猫かな、野良かな。寒くなってきたのに、寝る場所はあるのかな。餌は足りてるのかな。淋しい思いをしてないのかな。うわっ、しまった、スイッチが入った。道端で泣きじゃくり、会社に遅刻した。

昼。会社の事務所が入っているビルには、ジュースの自動販売機に、テーブルと、イスが数脚置いてある休憩スペースがある。同僚数人と、お茶を飲みながら談笑していた。そこへ、隣の部屋に入っている会社の事務員さんがやってきた。女性である。

彼女は、一年前に男の子を出産して休職していた。しかし、経済が冷え込んできた、この時勢。旦那の給料だけでは生活が厳しくなってしまい、週に一、ニ日、仕事に復帰したのだという。

子供が可愛い盛りだという。携帯で撮影した子供の写真を見せてくれた。まだ一歳の赤ちゃんながら、目鼻立ちの整った、将来の美男子確定な愛くるしい男の子が、満面の笑みをカメラに向けている。最高のショットだった。

ほんとうだ、かわいいなあ。君の人生に少しでも多くの幸運が訪れますように。胸奥で祝福した。そこで、スイッチが入って泣き出してしまう。

事務員さんは驚いて、「どうしたんですか?」と、おろおろした声色で、なだめてくれた。「キモイ」と言わない優しさに、余計に涙が止まらぬ。同僚が、「ああ、ほっといていいから」と、冷たいことを言う。その世知辛さに、涙の量はさらに増した。

夕方、仕事帰りの電車内。今日はクリスマス・イブ。とっても熱々のカップルが、目の前に座っている。軟体動物のように腕が絡み合い、頬摺り寄せるわ、ひそひそと囁きあってはゼロ距離で見つめ合うわ、それはそれは仲睦まじいことであった。

いいなあ。幸せそうだなあ。心が温かくなった。わたくしは、わりあいに、こういう場合の嫉妬心が湧かない。自分に相手がいないからといって、他人の幸福を壊したいとは思わない。どういう人であろうと、積極的に応援したいと思う。だから、胸奥で、「精一杯の幸せがつかめますように」と祈った。ここでは、まだ泣かない。

なんとなく、彼らの幸福を想像した。結婚し、子供を授かり、成長を喜ぶとともに、言うことを聞かない子供に手を焼き、時には夫婦喧嘩をして別れの瀬戸際までいき、子供が独立して自分たちの家庭を築き、孫に囲まれ、やがて年老いて命を終えるときが来た。懸命の人生であった。「きみと過ごせて幸せだった。ぼくは先にいくけど、きみは、後からゆっくりおいで。本当にありがとう」なんて言い残して、旦那が先に死ぬ。泣き崩れる奥さん。

うわっ、しまったスイッチが入った。最大規模の感情の波が打ち寄せてきて、電車の中で大泣き。まったく感情をコントロールできない。緊急事態である。メーデー、メーデー。スコーク77を発信しないといけない。気がつくと、カップルはとっくに電車を降りていておらず、臭そうなおっさんが、胡散臭そうな目でわたくしを見据えていた。

実を言うと、これを書きながら、思い出して今も泣いている。何を泣くことがあるのか、自分でも理解していない。

家に帰り着き、たまたまやっていた、ビートたけしが東条英機を演じるテレビ番組を見てしまった。思想が右向け右なわたくしに、戦争番組はあかんやろ。泣けと命じているようなものだ。泣きながらも、必死でご飯を食べた。懸命な食事であった。

最後まで番組を見ていられず、自室に戻って、気分転換に心霊本を読んだ。狸が人を化かす話が出ていた。泣けた。理由は、書くと長くなるので省略する。

奥の手で、アダルトビデオを見た。ハアハア興奮して忘れようと思った。ところが、濡れ場の合間にはさまる、女優のインタビューで泣けた。だめだ、これもダメだ。

トラビアンにログインした。最近は、いつものjp2ではなく、jp1サーバーで戦争が起こっている。所属同盟が直接、戦火に巻き込まれているわけではないが、援軍を頼まれて、それに応じている状況だ。両軍合わせて、一万を軽く超える規模の大軍が激突する、きわめて激しい戦いになっている。

わたくしは、英雄と数百の兵隊を供出したが、損耗が異常に激しい。二十次以上に及ぶ、恐ろしいばかりの波状攻撃を受け止めるたび、見る見る数を減らしていく。英雄が瀕死になった。

英雄が死ぬと、復活させるのに多大な資材と時間がかかる。自分の村の防衛なら、死して護国の鬼たらん、となるところだが、そこまで義理のある相手ではない。英雄を撤収させることにした。生き残りの兵も同時に引き上げさせるべきだろうか。しかし、防衛軍も少なくなっている。たかだか百人程度の兵隊だが、この防御手薄な状況で、撤収させるのは忍びなかった。

兵隊は残し、英雄のみ撤退。残した兵隊は、数次の戦闘の後に全滅した。まあ仕方ない。自分を納得させようとした。

が、脳内で総天然色・戦争スペクタクル映画が始まってしまった。雲霞のごとき攻撃軍を、要塞に篭って迎え撃つ防衛軍。わたくしの兵隊も、防衛軍の一員として勇敢に戦った。

次々に戦友が斃れていく。剣戟の響き。猛り狂う馬のいななき。斬り落とされた腕が、首が、宙を飛ぶ。吹き上がる血飛沫。苦痛に満ちた悲鳴と、断末魔の呻き。

彼らにも家族がいたであろう。生きて帰ってきてね、と妻子に見送られて出発した、あの日。故郷を遠く離れた、この土地。助かる見込みが薄いことを知りつつも、国の命令に従い踏みとどまった。死の淵に落ち込む間際に、愛する妻の笑顔と、まだ幼い我が子の瞳が脳裏をよぎっただろうか……。

国の命令とは、すなわち、わたくしの決断であり、わたくしの責任である。

ここはお国を何百里
離れて遠き満洲の
赤い夕日に照らされて
友は野末の石の下
軍歌・戦友

ウワアアアア、もうダメー、ぼく、もうダメー! パソコンの前で泣き崩れた。

日露戦争の第三軍司令官乃木希典は、旅順要塞を攻略した将軍として名高い。しかし、乃木は将才に恵まれていなかった。第三軍は、まずい戦いを続けた結果、戦史に残る空前の戦死者を記録してしまう。乃木は、戦争後に復員し、明治天皇の前で戦争の報告をする。途中、こみあげる自責の念に、号泣して報告を続けることができなくなったという。わたくしは、日本で一番、そのときの乃木の気持ちが分かる男だと自負している。

戦争ゲームが、ゲームにならない。ゲーム中の「兵士1」は、ただの数字だ。そこに意味を求める方が、どうかしている。が、わたくしには数字で終わらない。

いちいち会戦のたびに、脳内スペクタクル映像が展開されるので、大損害を出すとショックを受けてプレイが止まる。

また、勝ち戦の戦功と称するものは、実のところ敵を大量に殺した事実である。勝利と敗北は、より多く死んだのが、敵か味方かという違いにすぎない。だから、大勝利の時も、酸鼻を極める戦場跡に佇む映像が流れるので、やっぱりプレイが止まる。

トラビアンでも、戦争をすること、兵隊に損害が出ることが恐ろしくてたまらない。まるで現実の為政者のように、脂汗を流しながら派兵を決断することになる。戦争ゲームが、あまり向いてないんじゃないかと思いつつ、戦争マニアなので大好き。

病んでるね!

が、別の意味で考えれば、みんなの数倍、濃密なゲームを楽しんでいるとも言えるのであって、お得な体質だと考えることにした。

うわっ、オチつけたつもりだけど、オチてない? 狂気が重すぎた? とってもクリスマス向きの文章で、ハハハ、ゴメーン。
スポンサーサイト




コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック