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捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2007年12月20日 (木) | 編集 |
ピアレスボスの一人、レディ・メリザンドの住まう「ブライテッド・グロウブ」。ブリタニア政府発行の観光案内書には、この忌まわしい地について、次のように記されている。

レディ メリザンドによって古代から守られてきた最古のユーツリーは、グロテスクな形に歪められてしまった。それでもその木は汚れた地に強い根をはりめぐらせて必死に生きている。巨大なその木の三分の一にも及ぶむき出された根はしっかりと沼地をつかみ、今にも倒れそうな巨大な幹をささえている。その木に近づいた生き物は、大抵、その毒棘や毒種によって死に追いやられる。この場所に足を踏み入れるには、まずむき出されたその木の根の下を通り、垂れ下がった枝、そして幹の腐った中身を避けながら通り抜けなければならない。ユーの木のどの部分も毒を持ち、危険である。木に近寄ることは危険を伴うことであり、ここで落下やケガをすると毒で苦しみ死ぬことになる。 不快な枝の間には、恐ろしいモンスターたちが潜んでいる。人を襲って喜ぶチェンジリング(Changeling)、そしてボグシング(Bog Thing)、ボグリング(Bogling)、コープサー(Corpser)、ウィッピングバイン(Whipping Vine)、スワンプテンタクル(Swamp Tentacle)、そしてリーパー(Reaper)などに遭遇することになるだろう。また、枝や沼地地帯には、巨大なヘビやヒドラも徘徊している。豹変してしまったレディ メリザンドの手下には、悪にそまったドライアド(Dryad)やサテュロス(Satyr)などがいる。



これまで「メリザンデ」と書いてきたが、「メリザンド」が一般的なようだから、従うことにする。UOに出てくる名称は、たいていの場合、元ネタがある(シタデルとか、べドラムとかもそう)。なんて読むのか分からないときは、元ネタに当たると答えが出たりする。ちなみに、メリザンドは、オペラなのだね。これは知らなかった。不勉強であった。以上、余談まで。

たれぞうは、メリザンドに挑む権利を得るために、腐敗した沼地「ブライテッド・グロウブ」にやってきた。だが、この沼地へ下りるのは容易なことではない。ユー・ツリーの稠密に絡みあった根や枝を薙ぎ払い、道を切り拓かねばならない。

ユー・ツリー


数百年の樹齢を誇るとも噂される、このユー・ツリーは、表皮を恐ろしい硬さに変えることで風雪に耐えてきた。枝を打ち払おうとしても、冒険者が手にしている刀や槍程度では跳ね返されて物の役に立たない。ブライテッド・グロウブに降りていくだけの目的で、「ボーン・マチェット」と呼ばれる、特別に頑丈な山刀が作り出されたほどである。

これまで、沼地に向かおうとした数多くの冒険者によって、さんざん痛めつけられたはずのユー・ツリーだが、獣道すら出来る気配がないのは、驚くべきことである。ユー・ツリーの強靭な生命力は、除かれた根や枝をたちまち再生させてしまうらしい。あるいは、ユー・ツリーが長年吸い上げてきた沼地の瘴気が、瑞々しい生命力を、死ぬことを許さない呪縛へと変質させてしまったものであろうか。

たれぞうは、渾身の力をこめてマチェットを振り下ろす。猛毒を含むという木に触れぬように注意し、襟や袖口から入り込もうとする得体の知れない虫を振り払う。沼地に下りるころには、全身大汗をかいて、へとへとに疲れ果てていた。

(エプロン欲しさに、こうまでしてメリザンドを倒しに来なければならぬというのも、酔狂なことだ)

そんな思いにかられて、ついつい自嘲の笑いがこみ上げてきた。

(さて、沼地の様子はどうだろう)

慎重に様子を伺う。幸い、荒れている気配はない。ひどい時には、入り口すぐのところに、強力なヒドラの類が、たむろしていることがある。いきなり死んでしまうようなことは滅多にないが、ようやくモンスターの襲撃をくぐりぬけて冷や汗をかくことは、しょっちゅうだ。

クエストをくれる妖精に会いに行こうと、乗りドラの手綱を、そちらの方向へ向けた瞬間であった。ヒリュウに騎乗した人物が走ってきた。様子がただことではない。かなりの深手を負っているのか、全身が血に濡れ、辛うじて鞍壺にしがみついているような状態であった。

女であった。

たれぞうと目があったと思うと、みるみる彼女の身体を炎が包み込んでいく。ヒールの呪文を唱える暇もなく、彼女はたれぞうの目の前で、断末魔の悲鳴をあげてこときれた。あまりの出来事に、たれぞうは縮み上がって動くことができなくなってしまった。見れば、さらに一人、今度は幽霊が走ってくる。

(これは、いかん。奥の方は荒れているらしい)

今日は帰ったほうがいいかもしれぬ。たれぞうが踵を返す間もなく、沼の奥から真っ赤なボグシング「タングル」に追われて、数人が大慌てで逃げてくる。たちまち、たれぞうの周囲で乱戦が始まった。

乱戦


こうなってしまっては、巻き込まれないように注意するほうが大事で、もはやクエストどころではない。もちろん、強引に割り込んでいくこともできたが、いらぬ不和を招くのも物憂い。

幽霊を蘇生してやって、今日のところは諦めるとしよう。たれぞうは幽霊の一人に近づいて、蘇生を施した。その人物は生き返らせてもらった礼も言わず、片隅に逃げていく。よほど慌てているものと見える。

(さて、女テイマーの幽霊はどこかな)

たれぞうは、彼女の死体に近づいて、おや、と思った。この名前、どこかで見たことがある。

はて……。


はて、だれだったろう。思い出そうとしたが、出てこない。珍しい名前ではないから、勘違いをしているのだろうか。まあいい。

いくら待っても幽霊は現れない。仲間に蘇生してもらっているのか、沼の外にいる野良ヒーラーを探しに出たのか。数分待った頃に、女は戻ってきた。

その女は!


(うわあああああああああ!)

女がつけているタグを見て、たれぞうは悲鳴をあげた。[Lv1]か!

[Lv1]は飛鳥でも名の知られたPKギルドである。Chri*といえば、まぎれもなくギルドマスターではないか。よもや、こんなところで出会おうとは。

普段、Fに行き馴れないたれぞうにとって、ひさしぶりに出会う対人家であった。たれぞうは威圧感に、すっかり居竦んでしまった。Chri*は、たれぞうには一瞥もくれない。F世界が恐ろしくて足を踏み入れられず、Tでしか活動できないヘタレのことなど、眼中にもないのであろう。無言のまま荷物を回収すると、仲間が戦っている沼の奥へと駆けていった。

たれぞうは沼地にとどまるのが恐ろしく、震えながら家に飛んで帰り、そのまま床に伏せった。

いよいよLv1が、トランメル制覇に動き出したのであろうか。Lv1のメンバーが、あちこちで「よう、おめえら誰に断って商売してやがるんでぃぃぃ?」と、因縁をつけてまわるに違いないと考えると、恐ろしくてたまらず、たれぞうは、もはやトランメルに安全な狩場はないのだと絶望的な気分になって、泣きながら眠りについたのであった。

(つづく……わけがない)
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