2018年09月03日 (月) | 編集 |
24.ナイルパーチの女子会/柚木麻子
面白かった。うまく友達を作れない女性ふたりが物語の中心にいる。わたしたちは、どうしてこれほど他人を求めるのか? どうしてこれほど他人の承認がほしいのか? 身を揉む渇望が出会うとき、悲劇を招き寄せる。最後には、再生への道のりが示されるのが救い。
いつもの「なんでも馬狸猿団病」ゆえではあるのだけど、かなりの部分、将軍と自分のつきあい方や思考に重なっていて、背筋が寒くなり、悲しさが倍増した。
25.ハーバードの人生を変える授業/タル・ベン・シャハー
何年か前に買ったまま、ほったらかしていた本。自己啓発本に入れていいのかな。考え方を変え、行動を変えればハッピーになります。書いてあることに、なるほどと納得するのが2割、そりゃそうでしょうけどもと反発するのが8割。素直になれない、おっさんひとり。
26.ムーミン谷の彗星/トーベ・ヤンソン
行きつけの古本喫茶店で、「ムーミンシリーズ」を読みこむ読書会を開いている。ぼくも参加してみようかしらと、原作の第一作を買い求めてみた。ムーミン谷に彗星が落ちてくる。その破滅までの数日間を、生き延びようと必死にあらがうストーリー。ムーミンは、アニメでしか知らなかったけれど、とても不気味で重いというのが、第一印象。子供のときだったら、こわくて読めなかったかもしれない。シリーズ七作そろえて、もう少し読みこんでみようかなと思う。
27.鯖/赤松利市
たまらなく面白かった。帯が、またすんごいの。


なーにそれ!? いったい何者?
文章に、いやな癖がない。読みやすい。わかりやすい。といって、描写が甘いわけでもない。うまい。物語に一気にのめりこんでしまう。入りこむのは、どん底貧乏漁師の世界。行く先に光は見えない、臭く、湿った、絶望の世界。そこに、ほんの一筋、光がさしこんでくる。光に近づく。希望が宿る。生きる活力がわいてくる。その活力は同時に、破滅の扉をひらく力にもなってしまった。発動した狂気は内在していたもの。はじめから準備されていたもの。地獄の底にいたときは、うずくまっていたのだから落ちることもなかった。動けば、転落する。加速度をつけて。ゆっくり腐って死ぬか、ド派手に爆発して死ぬか。
途中から、いやな結末の予想はできていて、そうならなければいいがと危惧する方向にどんどん進んでゆく。驀進といっていい。最後の数行は、ああ、やはり、こうなってしまった……と、なんともいえぬ虚脱をもたらす。すこしの間、動けないくらい。
作者の素性が、とても気になる。次の作品も絶対に読みたい。
面白かった。うまく友達を作れない女性ふたりが物語の中心にいる。わたしたちは、どうしてこれほど他人を求めるのか? どうしてこれほど他人の承認がほしいのか? 身を揉む渇望が出会うとき、悲劇を招き寄せる。最後には、再生への道のりが示されるのが救い。
いつもの「なんでも馬狸猿団病」ゆえではあるのだけど、かなりの部分、将軍と自分のつきあい方や思考に重なっていて、背筋が寒くなり、悲しさが倍増した。
25.ハーバードの人生を変える授業/タル・ベン・シャハー
何年か前に買ったまま、ほったらかしていた本。自己啓発本に入れていいのかな。考え方を変え、行動を変えればハッピーになります。書いてあることに、なるほどと納得するのが2割、そりゃそうでしょうけどもと反発するのが8割。素直になれない、おっさんひとり。
26.ムーミン谷の彗星/トーベ・ヤンソン
行きつけの古本喫茶店で、「ムーミンシリーズ」を読みこむ読書会を開いている。ぼくも参加してみようかしらと、原作の第一作を買い求めてみた。ムーミン谷に彗星が落ちてくる。その破滅までの数日間を、生き延びようと必死にあらがうストーリー。ムーミンは、アニメでしか知らなかったけれど、とても不気味で重いというのが、第一印象。子供のときだったら、こわくて読めなかったかもしれない。シリーズ七作そろえて、もう少し読みこんでみようかなと思う。
27.鯖/赤松利市
たまらなく面白かった。帯が、またすんごいの。
62歳 住所不定 無職 平成最後の大型新人 鮮烈なるデビュー
なーにそれ!? いったい何者?
文章に、いやな癖がない。読みやすい。わかりやすい。といって、描写が甘いわけでもない。うまい。物語に一気にのめりこんでしまう。入りこむのは、どん底貧乏漁師の世界。行く先に光は見えない、臭く、湿った、絶望の世界。そこに、ほんの一筋、光がさしこんでくる。光に近づく。希望が宿る。生きる活力がわいてくる。その活力は同時に、破滅の扉をひらく力にもなってしまった。発動した狂気は内在していたもの。はじめから準備されていたもの。地獄の底にいたときは、うずくまっていたのだから落ちることもなかった。動けば、転落する。加速度をつけて。ゆっくり腐って死ぬか、ド派手に爆発して死ぬか。
途中から、いやな結末の予想はできていて、そうならなければいいがと危惧する方向にどんどん進んでゆく。驀進といっていい。最後の数行は、ああ、やはり、こうなってしまった……と、なんともいえぬ虚脱をもたらす。すこしの間、動けないくらい。
作者の素性が、とても気になる。次の作品も絶対に読みたい。
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