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捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2014年05月24日 (土) | 編集 |
沖縄生活は、あと一週間。あんあん、帰りたくないやだやだ。

昨晩、職場で仲良くなったおっちゃんが、お別れにと飲みに誘ってくれました。おっちゃんの行きつけの店で、短い間だったつきあいを惜しみながら、酒を飲むことに。

「飲むと、つい人の悪口になっちゃいますよね」

と、おっちゃん。年齢は60代と、わたくしよりずっと歳上ですが、わたくしが職場での責任者だったことを気遣い、ずっと敬語で接してくれております。

「はっはっは、そういうもんですよね」

「じゃあ、さっそく悪口いいですか」

「はっはっは、どうぞどうぞ」

酒がはいって口が滑らかにまわりだしたおっちゃんは、職場の誰彼の悪口大会スタート。

「あの人は、ちょっと職場から浮いてますよね」

「ああ、そうかもしれないですね、はっはっは」

「あと、○○さんも考え方が甘いよね」

「なるほど。はっはっは」

「はっきり言ってもいいれすか」

「はい、どうぞ」

「この業界の人間、さんぶんのいちは頭わるいじゃないれすか!ばかばっかり!」

「わお、そのとおりです。ですから、落ち着いて座りましょ、飲みましょ、ね、ね。はいはい、煙草もどうぞ、はいはい」

「あうい。はっきり言ってもいれすか」

「どうぞ、どうぞ、なんでも、どうぞ」

「いや、やめとく。興味なさそうらから。やめとくよ」

「そんなことないです、興味ありまくりですよ、聞かせてくださいよ」

「いや、いわない。だいたい、おれとおまえは合わない。前からおもってた。合わねえよ。だから、いわない」

「はっはっは、そっすか、はっはっは」

「ところれ、あんた、なんで沖縄来たの?」

「会社命令ですから」

「金か? 儲かったか? いい思いしてるのか?」

「給料はむしろ下がりましたよ。嫁同伴できましたから、経費分ひかれて」

「おれが言ってるのは、そうじゃない。あんたは、おいしい思いをしたのかどうかだ。いや、やめよ。やっぱりあわねえ。もういい、もういいよ!」

「そっすか。はは」

「みなさん、うるさくてすみません!」

おっちゃんは手をあげて立ち上がり、店内の注目を集めます。

「いやあ、すびばせんね、へっへっへ、うるさくてね、へへ、へっへっへ」

悪酔いまるだしで、隣席の夫婦にからむのでございます。すみません、すみませんと平謝りのわたくし。

が、相手は、

「いや大丈夫、酒はたのしいものですよね。わたしら、福岡から来たですよ」

と、大人の対応。そこから、ご夫婦と、おっちゃん、3人で話がもりあがり、しまいには、わたくし、

「もう帰っていいよ」

と、おっちゃんに言われる始末。

へえ、そっすか。じゃあ帰るかな。みいたんに、今から帰るメールを送ったのでございます。

ところが、そのわずかな時間のうちにも、ご夫婦とおっちゃんの和やかだった雰囲気が激変しておりました。おっちゃんが、旦那さんのほうに、しつこくからんでおります。

「あんた、かんみんぞくでしょ?」

「わたし、そういう話興味ない」

「かんみんぞくなんれしょ?」

「やめましょ、そういうのはね。お酒は楽しくいきましょうよ」

「いやちがう、わたしが今いいたいことは、あんたが、かんみんぞくかどうかってことれす」

旦那さんは渋い表情で、

「台湾ですよ。でも、小さいころから福岡にいた。あんた、わかる?」

「ああ、台湾。よかった。台湾ならいいんれす。中国本土のかんみんぞくは、だめれすよ!」

かんみんぞくって、漢民族かよ! 危険です、このおっちゃん、ちょう危険です!

ご夫婦は心底うんざりした表情で会計をすませ、席を立ちました。

その後、おっちゃんは完全酩酊状態で、ぶつぶつつぶやき、時折、立ち上がって雄叫びをあげ、店内の四方に深々と一礼を繰り返す奇行男に。

最後には、店員の助けをかりて、3人がかりで外に連れ出しました。

外に出たその途端、おっちゃんは、若い女性をみつけて、

「お、お、おま(略)させろ、おま(略)したい、したいんら!!」

とうてい、ここに書けない卑猥語を叫んでつかみかかり、足をもつれさせて勝手に転び、うへへ、へへうへえ、へへえ、と怪しい笑いをたれ流すのです。

「にげて! はやく逃げてえええ!」

わたくし、おっちゃんを羽交い締めでおさえながら、人生ではじめて冗談ではなく、その警報を発しました。

タクシーに押し込んでからも、

「運転手てめえとめろてめえだれにことわってる、とめろてめえ、おれはおりるてめえてめえ」

と暴れるので、どこだかわからない場所に、おっちゃんを半ば蹴りだすようにして下ろし、

「じゃ、月曜に、また、じゃっ!」

置き去りに。はっはっは。

他人をうらみ、すねている具合が、滝原豊後守にそっくり。いやだなあ。

相手だけがやりたいことをやり楽しむ反面、自分は後始末をすべて背負わされる。たちの悪い接待のような、つらい飲み会を、わたくしはバリサルダ式と呼んでおります。

こういう、なんの実りもないバリサルダ式飲み会は、若いころにさんざん味わい苦い思いをしたものですから、金輪際でるまいと思ってたのが、沖縄の最後に落とし穴にはまりました。

はたして、おっちゃんが無事に帰れたのかどうか、月曜に判明いたします。が、もうどうなってようが、しらんしらん。
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