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捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2008年12月29日 (月) | 編集 |
突然に、大農場が空いた。

首都・長岡城の近くに居を構えていたW同盟員の一人が、いなくなってしまった。飽きちゃったのか、あるいは、いけない行為に手を染めて、アカバンを喰らったのかもしれない。

同盟の掲示板に、「誰でもいいから抑えて!」と、盟主の指示が飛んでいた。たまたまその日の朝、3人目の開拓者を作ったばかりのところ。なんという幸運であろう。

「とります! 宜しくお願いします!」

ふだん、会議所で発言なんかしないわたくしだが、興奮で鼻息荒くしながら宣言。自分の利益が大切だぜ。他人のことなど、かまっちゃいられねーぜ。

30分後、無事に大農場を取得した。ウハー! そのうえ、大農場とともに主がいなくなったオアシスも二つ、取得成功。ウハアアアア!

本拠地の付近は人口密集地帯であり、農場はおろか、オアシスも空いていなかった。およそ勢力伸張には向いていない場所で、どこか遠くへの移民を考えていた矢先だった。それが、こんな大逆転の展開があろうとは。

さて、悩むのは村の名前である。次に村を取ったら、今町か、栃尾にしようと考えていたが、この農場はゆくゆくは首都になる村。やはり、城でないと格好がつかないのだが、すでに長岡城はある。どうしよう。村の名前を変えようか。

うんうん唸って悩む。他人様からしたら、どうでもいいことだが、マニアは無駄な細部にこだわって人生を浪費する。

ようやく思いついたのは、城の本丸とすること。御三階と名づける。おおお、気分が盛り上がってきたぜ!

継之助は城から落ちるさい、自藩の手で城をやきはらおうとし、
「お三階に火をかけよ」
と、まわりのさむらいに命じた。長岡城には天守閣というものがなく、お三階と称する楼閣がそれに相当していた。命をうけて、飯田直太夫、須藤武左衛門、野村竜太郎、武山千三郎といった四人が駆け出した。まず焔硝蔵にむかって走った。焔硝をもって自爆させるためであった。

やがて四人は蔵から焔硝樽をはこびだし、お三階へゆき、戸障子をはずして重ね、焔硝をばらまき、飛び出しざま、松明を投げ入れた。お三階は轟然と鳴動し、やがて火を噴き始めた。

四人は駈けた。駈けながら四人とも号泣した。お三階といえば、長岡武士の結束の象徴のようなものであり、かれらはみずからの手でそれを焼いたことに気が動顚してしまっていた。

死のう、とだれからともなく叫びあい、焔硝蔵のある三の丸まで駈け降り、蔵にとびこみ、樽の蓋をこじあけ、松明をたたきこんだ。

蔵が割れ、閃光が八方に飛び、やがて黒煙がゆるゆると天にのぼりはじめたときには四人の肉体は地上にはなかった。

──司馬遼太郎 「峠」


わたくしの前途を暗示しているかのようである。あはーん。
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