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捕獲されました。年貢の納め時というやつ。
2007年12月09日 (日) | 編集 |
宮部みゆき、好きです。

ミユウさんの文章をお借りすると(すみません)、

宮部みゆき作品には、社会派サスペンス(犯罪小説)、時代物、ファンタジー系の大きく3タイプがあります。
第1級実力派!いずれも満足度の高い作品ばかりですが、私は特に彼女の社会派サスペンスが好きです。
犯罪への「怒り」、その背景にある「弱さ」や、「悲しみ」。ひとつの出来事が次の出来事へ、偶然も必然も無い、全ては繋がっている。
―それなら、どうすればよろしいというのでしょう。
行き止まりだと知っていても、それでも進んでいく「強さ」。
その「強さ」が、宮部みゆきの「優しさ」なんだと思います。



という、まったくそのとおりの魅力。

私は、「幻色江戸ごよみ」「かまいたち」「本所深川ふしぎ草紙」あたりの、時代物の短編が好みです。とにかく上手い。長編も好きですが、短い紙数で、技巧が惜しみなく無駄なく発揮される短編に、たまらない魅力を感じます。

さて、「蒲生邸事件」は、なんと、社会派サスペンス、時代物(厳密には違うかもしれませんが、現代を離れた物語という意味で……)、ファンタジーの三要素が、ほどよくミックスされた欲張りな作品!

タイム・トラベルに巻き込まれる主人公。タイム・トラベラーの苦悩。ニ・二六事件。蒲生大将邸で起こる事件は、自殺か殺人か? 歴史と人との関わり……。

いくらなんでも、これは無茶だろ! と読みながら思ってしまった私ですが、いやはや、さすがは宮部みゆきです。

張り巡らされた伏線は、ラストに向かって一気に収斂。広げた大風呂敷が、最後にはきっちり折りたたまれて、私たち読者への綺麗な贈り物となって、手のひらの上にちょこんと乗っかっていました。

紙の上に、想像で描かれた人間たちなのに、どうしてこんなにも、たしかに彼らが居たような実在感があるのでしょう。宮部みゆきを、ますます好きになりました。

そうそう。

大好きな宮部みゆきですが、男の子の描き方に少しだけ違和感を覚えます。大人しいとか、真面目だというのとも違う、細やかな感情の持ち主。元男の子の私は、自分も含めて、周囲にこういうヤツはいなかったなあ、なんて思ってしまうのです。

私がガサツなだけ……?
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